みなさん、五稜郭というと北海道の函館にある五稜郭を思い浮かべるんじゃないでしょうか。実は日本には五稜郭が2つあるんです。今回は、もう一つの五稜郭である龍岡城五稜郭に行ってきました。
あまり知られていない五稜郭だけあって、最寄りの龍岡城駅に行く電車は2時間に1本。最低限の機能しかない無人駅や電線のない電車が長閑さを引き立てていました。
もちろん駅周辺にコンビニなんて便利なモノはないんですが、その代わりに古墳がそこかしこにありました。普通に畑の中や民家の庭に古墳があるんです。
この古墳群は、幸神古墳群といって、6〜7世紀のモノなんだそうです。
古墳群を通り過ぎてからしばらく歩くと、龍岡城の北の入り口だった枡形の遺構がありました。古墳が何基も残っている地域だけあって、城の遺構もキレイな状態で残っています。
そこからもう少し歩けば、龍岡城五稜郭に辿り着きます。他の城にはないカクカクした形状から、全貌が見えなくても星形になっているのを感じることができました。
こちらは大手門跡。こちらの向かいに、五稜郭であいの館があり、そこに車を停めて見学しに来ている人もいました。
星形の敷地内は小学校になっているんですが、この小学校、1年前の2023年3月にすでに廃校になっていました。少し荒れた校庭からは、なんだか哀愁を感じました。
ちなみに校庭右手にあるのが、現存建築物の御台所です。廃城後に小学校の校舎として使われていたため、取り壊しにならずにすんだそうです。
せっかくなので、星形を体感するために、龍岡城の周りを一周してみました。星形に堀があると思いきや、実は堀が未完で途中までしかありません。
それでも、土塁はしっかり残っているので、星形になっているのは十分確認できました。また、堀も、空堀も含めれば2/3くらいはありました。
とはいえ、星型となれば、やっぱり上から見てみたいもの。函館五稜郭のようにタワーに登って上から、というわけにはいきませんが、龍岡城五稜郭も山道を登って山の上の展望台から眺めることができます。
というわけで、五稜郭であいの館でもらった地図を片手に山を登ることにしました。山道の入り口はわかりづらいので、案内所で地図をもらわないと迷うと思います。
思ったよりも急で、獣道みたいな登山道をひたすら登っていきます。途中の案内看板がなかったら、不安で引き返していたかもしれません…
途中、スズメバチも見かけたので、真夏に登る場合は、周りに巣がないかも気にしたほうがよさそうでした。
30分程で展望台に辿り着くことができました。それにしても、誰1人すれ違わなかったので、案内所でもらう地図を見ながら登って正解でした。
こちらが展望台から見た龍岡城です。星形をはっきり確認することができましたし、山の頂上近くの展望台だけあって、景色も抜群でした。
ちなみに展望台がある山には、戦国時代には田口城があった場所でもあり、よく周りを見渡せば、当時の城郭や石垣を確認することができます。城郭自体はキレイに残っていましたが、整備されているわけではないので、意識しないと気づかないかもしれません。
東京からは新幹線を使えば日帰りで行ける距離にある五稜郭。城跡を観るだけではなく、古墳マニアや廃校マニアや登山好きだとプラスで楽しめる、そんな場所でした。
今後は、小学校が取り壊されて遺構として整備されるようなので、もっと人気が出てくるかもしれません。寂れているうちに五稜郭の絶景を独占してみてはいかがでしょうか。